名前の由来
日本刀の名前は刀工名・銘・号・通称・俗称などで呼ばれているかと思います。
このページでは刀剣の名前の号・通称・俗称について一部の刀剣を簡単に紹介。 順不同
※諸説あり‼‼‼
号・通称・俗称 | 由来 |
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三日月宗近 | 刀身の打ちのけが美しい三日月型であることから |
小狐丸 | 作刀の相槌を打ったのが稲荷明神の化身 能の演目「小鍛冶」に歌われる |
鶴丸国永 | かつての拵えに蒔絵で鶴の紋様が施されていたとされる |
数珠丸恒次 | 日蓮上人が破邪顕正の剣として柄に数珠を巻いて佩いていたためとされる |
にっかり青江 | にっかりと笑う女の幽霊を切ったため 翌朝見ると石灯籠が真っ二つになっていた |
鳴狐 | 明らかではないが一説には障子に映った狐の化物を切ったためとも |
一期一振 | 藤四郎吉光が太刀は生涯この一振しか鍛えなかったといわれているため |
鯰尾藤四郎 | ふくらが鯰の尾を連想させるふっくらした姿から |
骨喰藤四郎 | 対面で切る真似をするだけで骨まで砕けるほどの凄まじい切れ味のためとされる |
薬研藤四郎 | 主人の切腹では腹に刺さらず、投げつけたところ薬研の表裏をついて突き刺さったことから |
厚藤四郎 | 重ねが厚い作りの鎧通し造でも珍しいほどに重ねが厚いため |
後藤藤四郎 | 江戸期・後藤庄三郎の所持であったことから |
信濃藤四郎 | 徳川家康の重臣・永井信濃守尚政の所持であったことから |
博多藤四郎 | 黒田忠之が小倉表の海上で小笠原忠真に贈ったためとされる |
平野藤四郎 | 商人の平野道雪より木村茂茲が買い求めた事から |
前田藤四郎 | 前田孫四郎利政の所持であったことから |
乱藤四郎 | 直刃が多い藤四郎だが、珍しく乱刃のため |
五虎退 | 5匹の虎に襲われたがこの短刀で退けたため |
秋田藤四郎 | 豊臣秀吉に仕えた秋田城介の所持であったことから |
毛利藤四郎 | 毛利輝元の所持であったことから |
蛍丸 | 無数の刃こぼれを無数の蛍がまとわりつき治したという逸話から |
愛染国俊 | 茎表に刻まれた愛染明王の彫物より |
明石国行 | 明石松平家伝来のため |
蜻蛉切 | 穂先に止まったとたん蜻蛉が二つに切れてしまったことから |
物吉貞宗 | 帯びて陣に臨めば必ず勝利を得たことから |
太鼓鐘貞宗 | 堺の太鼓鐘という町人の所持であったことから |
亀甲貞宗 | 茎に亀甲菊花紋様の彫物があるため |
江雪左文字 | 北条氏政家臣・板部岡江雪の愛刀であったため |
宗三/三好/義元左文字 | 三好(隠居後・宗三)、今川義元の所持であったことから |
小夜左文字 | 息子が亡き母の仇討をしたという仇討話と西行法師の歌の一節から |
聚楽/太閤左文字 | 豊臣秀吉の所持であったことから 聚楽も聚楽第から |
歌仙兼定 | 細川忠興が殺害した家臣が36人であったため三十六歌仙にちなんで |
山伏国広 | 国広が山伏の修行の折に造られた |
山姥切国広 | 堀川国広が打った長義作の山姥切の写し |
蜂須賀虎徹 | 徳島藩主であった蜂須賀家に伝来していたため |
浦島虎徹 | 刀身に彫られた浦島太郎の彫物より |
大倶利伽羅 | 刀身の指裏に彫られた大きな倶利伽羅竜の彫物より |
へし切長谷部 | 棚の下に隠れた茶坊主を棚ごと胴体をへし切ったため |
御手杵 | 首級を槍に通し担いでいた際に首級の1つが落ちその時の槍の姿が手杵のように見えたため、手杵形の鞘を付けたことから |
髭切注1 | 試し切りの際、罪人の髭まで切ったため |
鬼切(剣巻では鬼丸)注1 | 渡辺綱が一条戻り橋で鬼の腕を切ったため |
獅子ノ子注1 | 夜に獅子の鳴くような声で吠えたため |
友切注1 | そっくりに作られた小烏という刀が2分ほど長かったのをこの刀が勝手に倒れて切ったため |
膝丸注2 | 試し切りの際、罪人の膝まで切ったため |
蜘蛛切注2 | 源頼光が土蜘蛛を切ったため |
吠丸注2 | 夜に蛇の泣くような声で吠えたため |
薄緑注2 | 熊野別当より源義経に送られた際に(略)夏山は緑も深く、春は薄かるらん。と薄緑と名付けた |
不動行光 | 表の櫃の中に不動明王とコンガラ・セイタカを浮彫にしていることより |
大典太光世 | 加賀前田家には三池光世作の太刀(又は太刀と刀の)二振りあり長い方が大伝太と呼ばれたため |
小烏丸 | 桓武天皇の前に八咫烏が飛んできて伊勢神宮の使いと奉上し、飛び立った後に置かれていたため |
抜丸 | 自ら鞘より抜け出て大蛇を払ったことから |
燭台切光忠 | 小姓を切った際、切先が先にあった青銅の燭台まで切り落としたため |
福島光忠 | 福島正則の所持であったことから |
実休光忠 | 三好実休の所持であったことから |
大般若長光 | 室町時代の値打ち銭六百貫と六百巻ある大般若経をかけて |
小竜景光 | 鎺元の倶利伽羅竜の彫物より |
謙信景光 | 上杉謙信の所持であったことから |
小豆長光 | 刃の上から小豆を落としたらそれだけで真っ二つに切れたから |
山姥切長義 | 山姥と呼ばれる妖怪退治に用いられたため |
後家兼光 | 直江兼続の死後、後家となった正室が上杉家に献上したため |
日向正宗 | 日向守である水野勝成の所持であったことから |
切込/石田正宗 | 石田三成の所持であったことから 刀身に大きな切込みのような疵があるため |
京極正宗 | 京極高次が豊臣秀吉より拝領したことから |
九鬼正宗 | 九鬼家由来の刀のため |
篭手切江 | 篭手を切るほど鋭い切れ味だからともいわれていえる |
松井江 | 松井興長の所持であったことから |
五月雨江 | 五月雨の季節に打たれたからともいわれています |
村雲江 | 豊臣秀吉が刀身の沸を、まるで浮き出る雲(群雲)のようだと例えたことから |
稲葉江 | 稲葉一鉄の子・稲葉重通の所持であったことから |
富田江 | 富田一白の所持であったことから |
南泉一文字 | 刀に触れた猫が真っ二つになった逸話と中国の故事「南泉斬猫」を重ねて |
山鳥毛 | 変化にとんだ激しい刃文が山鳥の羽毛のようだからとも山野が燃えるようだからともいわれている |
日光一文字 | 日光権現社に奉納されていたのを北条早雲が譲り受けたという伝承から |
姫鶴一文字 | 夢に鶴という姫君が現れ磨上げしないように懇願した、鶴が羽を広げているように見えるからという説あり |
祢々切丸 | 祢々という化物を本刀がひとりで抜け出し切り付けて退治したという伝承から |
八丁念仏 | 僧を袈裟斬りしたところ念仏を唱えながら歩き、八丁ほど歩いたところ真っ二つとなったという話から |
注1・注2はそれぞれ同じ刀の名前が変わったとされています。